- Japan電力ってどんな電気料金プラン?
- 中部エリアでは安くなるのか?
- 毎月の電気代を見直したい!
電気代節約のために、電力会社を見直すことは重要です。
しかし、電気料金の仕組みを理解せずに安易に選んでしまうと、後々市場影響を受けるなどで痛い目に合う可能性もあります。
私は、中部電力ミライズの「Eライフプラン」に加入し、オール電化住宅に住んでいます。太陽光パネルも設置しました。
最近の電気代高騰を受けて、自分でも勉強しながら節電に役立つ情報を発信中です。
本記事では、Japan電力の電気料金の仕組みについて解説します。
また、中部電力ミライズのプランと比較してどちらがお得なのか、も検証しました。
結論として、一概にJapan電力の方が安いわけではありません。
また、Japan電力は一部市場連動型の料金体系になっているため、毎月不安に駆られたくない方にはおすすめできません。
この記事を読むことで、Japan電力の電気料金の仕組みについて、理解が深まります。
エネチェンジで電気料金比較する際に、表面的な電気料金比較だけにとらわれないように、ご自身に合った電気料金プランを選択しましょう。
\ 限定キャッシュバック特典あり!/
Japan電力の電気料金体系
Japan電力の料金プランは主に2つあります。
- くらしプランS (従量電灯B相当)
- しごとプランS (従量電灯C相当)
「従量電灯」というのは、電気の使用量に応じて電気料金を支払う契約方式で、使う量が多くなってくると電気料金単価が上がってきます。
「B」と「C」の違いは以下になります。
契約区分(中部電力エリアの場合) | どんな人向け? | |
---|---|---|
従量電灯B | 10〜60A | 一般家庭の方 |
従量電灯C | 6kVA以上50kVA未満 | ・商店や事務所 ・電気を多く使う家庭 |
オール電化住宅では従量電灯Cで契約することもあります。
プランが2つなのはわかったけど、具体的な内容は?
基本的な電気料金は、以下の合算になります。
- 基本料金
- 電力量料金
- 燃料費等調整額
- 再生可能エネルギー賦課金
Japan電力の基本料金は0円!
基本料金は契約により最低限かかる固定料金です。
Japan電力の場合、どちらのプランも基本料金が0円になります。
従量電灯B(60A)であれば1,800円、従量電灯C(10kVA)であれば3,000円くらいJapan電力が安いということになります。
電気使用量が多いほうが料金単価が安い!
電力量料金は、
「電気の使用量(kWh)✖️ 料金単価(円/kWh)」
で計算される料金です。
通常の従量電灯プランでは、電気を多く使うほど料金単価が上がるのですが、Japan電力では多く使うほうが単価が安いという特徴があります。
逆に電気使用量が少ない方は割高です。
計算するとわかりますが、基本料金+電力量料金だけでいうと、使用量363kWhまでなら、従量電灯B(60A)の方が安いです。下表を参考にしてください。
従量電灯B 10A | 414kWhまで |
従量電灯B 15A | 409kWhまで |
従量電灯B 20A | 404kWhまで |
従量電灯B 30A | 394kWhまで |
従量電灯B 40A | 383kWhまで |
従量電灯B 50A | 373kWhまで |
従量電灯B 60A | 363kWhまで |
従量電灯C 10kVA | 335kWhまで |
(燃料費等調整額を除く)
燃料費等調整額は一部市場連動型
燃料費等調整額は、
「電気の使用量(kWh)✖️ 燃料費等調整単価(円/kWh)」
で計算される料金です。
Japan電力の電気料金が安いかどうかは、これが鍵を握っていると言っても過言ではありません。詳しくは後述します。
Japan電力の燃料費等調整額
燃料費等調整額は、以下のコストを電気料金に反映する仕組みです。
- 燃料費調整額
-
電気を作るのに必要な燃料(原油、液化天然ガス、石炭)の価格変動を反映。
- 電源調達調整額
-
電力市場で取引される電気の仕入れ(調達)コストの変動を反映。
中部電力ミライズの場合は「燃料費調整額」となっており、前者しか反映されません。
しかし、Japan電力の場合は、「燃料費等調整額」となっています。つまり、「燃料費調整額」+「電源調達調整額」をひとまとめにして「燃料費等」と言っているわけですね。
中身がどう違うのか、詳しく見ていきましょう。
燃料費調整額
次の式で計算されます。この式は中部電力ミライズも同じです。
燃料費調整単価=(平均燃料価格ー基準燃料価格)✖️ 基準価格/1000
- 平均燃料価格(円/キロリットル)
-
原油・液化天然ガス・石炭の貿易統計価格(実績)を基に計算されます。
2ヶ月前〜4ヶ月前の平均値をとります。例えば9月の燃料費調整単価を計算する場合は、5月〜7月の平均値が適用されます。
- 基準燃料価格(円/キロリットル)
-
中部電力エリアの場合は45,900円/キロリットルです。これは基準値ですので固定の価格になります。
- 基準価格(円/kWh)
-
平均燃料価格が1,000円/キロリットル変動した場合の燃料費調整単価になります。中部電力エリアの場合、0.233円/kWhです。Japan電力もこの基準価格を採用しています。
結局、燃料費調整単価は、Japan電力も中部電力ミライズも同じになるということ?
基本はそうだけど、中部電力ミライズには平均燃料価格に上限が設定されているプランもあります。
Japan電力 | 上限なし |
中部電力ミライズ 従量電灯B,C | 上限あり(68,900円) |
中部電力ミライズ スマートライフプランなど* | 上限なし |
平均燃料価格に上限値が設定されていれば、燃料価格が急に高騰した時でも、電気代への反映を抑えることができます。実際に、2022年10月分〜2023年7月分までは上限を超えていました。
電源調達調整額
Japan電力の電源調達調整額について、内訳は次のようになっています。
- 固定電源比率✖️固定電源調達費調整単価
- 変動電源比率✖️変動電源調達費調整単価
固定電源?変動電源??
Japan電力が仕入れる電源のうち、固定価格のものと、市場価格に連動するものとがあります。
Japan電力の料金プランが、「一部」市場連動型であると言われる理由がこの部分にあります。
「変動電源調達費調整単価」は、日本卸電力取引所のスポット市場取引価格(JEPXエリアプライス1ヶ月平均値)に連動します。
この市場取引価格は、予想できるものではありません。急な価格高騰があるとモロに影響を受けることになります。
過去数年の推移を見ると以下です。2023年に入ってからは下落傾向でしたが、今後上昇する可能性もあります。
毎月ドキドキしながら生活するのが嫌な方は市場連動するプランはお勧めできません。
燃料費等調整単価の推移
直近1年間のJapan電力の燃料費等調整額の推移について、中部電力ミライズと比較すると以下になります。
2023年2月から政府による激変緩和措置が取られていていますので、最近はマイナス調整になっています。電気代の負荷もそこまで感じなくなっているのはないでしょうか。
激変緩和措置は2023年12月(2024年1月検針分)までと発表されています。詳しくはこちら。
激変緩和措置の期間については、中部電力ミライズも同様に対応しています。こちらでも解説しています。
Japan電力の電気料金は安いのか検証
ここでは、Japan電力の電気料金が安いかどうか、中部電力ミライズの従量電灯C(10kVA)、スマートライフプラン(10kVA)と比較検証します。
検証に使用する電気使用量は、我が家の実績値とします。ざっくりですが以下です。
- 年間の幅:400〜1200kWh/月
- 平均:660kWh/月
Japan電力のプランは「しごとプランS」で計算しています。実際の燃料費等調整額を使用するため、2022年11月に加入したと仮定します。
結果は以下です。
燃料費等調整額の推移とある程度一致した傾向になっていることがわかります。
Japan電力が中部電力ミライズより安いのは、燃料費等調整額が低い時のみです。また、直近1年の平均値をみると、必ずしも安いとは言えません。
Japan電力の最安値は魅力的ですが、燃料費等調整額の傾向に左右されるものなので、注意が必要です。
プラン | 平均 円/月 | 最高 円/月 | 最低 円/月 |
---|---|---|---|
Japan電力 しごとプランS | 20,255 | 48,218 | 8,216 |
中電ミライズ 従量電灯C | 20,868 | 42,685 | 12,203 |
中電ミライズ スマートライフ | 19,129 | 43,858 | 10,272 |
Japan電力の評判・口コミ
Japan電力の評判・口コミをを紹介します。
直近では燃料費等調整額の恩恵を受けて、電気代が安くなっているコメントが多かったです。
まとめ|Japan電力の料金は市場連動
電気料金比較サイト「エネチェンジ」などで上位にランクされる「Japan電力」について、その料金体系の仕組みを解説しました。
Japan電力は、燃料費等調整額の一部が市場連動により変動するため、急激な電気代高騰になりやすいです。
今後の燃料費等の動向はわからないため、毎月不安に駆られたくない方にはお勧めできません。
「高騰してもすぐに他の電力会社に切り替えればいいや」くらいの余裕があれば、今ならJapan電力はお得かもしれません。
注意点としては、契約後1年以内の解約は3,000円の違約金が発生します。
メリット、デメリットとしては以下になります。
メリット | デメリット |
---|---|
が0円 基本料金 400kWh/月以上は単価が低い | 燃料費等調整額は一部市場連動 契約後1年以内の解約は3,000円の違約金 |
本記事を読んで、電気料金の仕組みなど理解が深まったのであればうれしいです。
電力会社を見直したい方は、エネチェンジで比較してみると、参考になると思います。ぜひご検討ください!
\ 限定キャッシュバック特典あり! /
最後までお読みいただき、ありがとうございました!