私は2011年にヘーベルハウスで家を建て、2018年9月に京セラの太陽光パネルを設置しました。
みなさん、太陽光パネルってどれくらいの電気代節約効果があるか、イメージありますか?
私はありませんでした・・・
えっ・・・!そんなんで大丈夫なの・・?
はい、すみません。ズボラなんです・・・
ただ最近、家計のことを色々見直していて、
「そういえば電気代って、太陽光パネル導入以降、どうなってるんだっけ?」
と、今さらながらに思い立ったわけです。
電気代は節約できているはずだよね?
そうなんだけど・・投資対効果という観点では、導入メリットがあるかどうか微妙なんだよ。
はい、結論から申しますと、
- のんビィ家の節電効果は182,980円(2021年実績)
- 太陽光パネル投資費用の回収は16年
ということだったのです。
ということで本記事では、のんビィ家の実例を通して、太陽光パネルの節電効果について紹介したいと思います。
「こういう事例もあるんだな」という感じで、参考になれば嬉しいです。
- 太陽光パネルを導入しようか迷っている
- 太陽光パネルを導入したけど、他人の実例と比較してみたい
- 電気料金の仕組みを知りたい
- 太陽光パネル導入のメリット・デメリット
- 導入後の節電効果
- 太陽光パネル導入時の注意点
太陽光パネル導入のメリット・デメリット
太陽光発電のメリットはなんと言っても自家発電だから、電気代がかからない、っていうことだよね。
そうだね、もう少し整理してみよう。
- 発電した電気を使えば、その分の電気代はタダ(買電料金の節約)
- 使い入れない発電電気は、電力会社に売れる(売電料金をゲット)
- 災害などで停電した時、発電した電気を使うことができる(蓄電池があれば夜も使える)
その他に、以下のようなことも言われています。
- パネルの遮熱、断熱効果(夏は熱の侵入を防ぎ、冬は熱の放射を防ぐ)
- 環境にやさしい(CO2発生がない)
では、デメリットはどうでしょうか?
- 初期費用が高い
- 昼間しか発電しない(蓄電池併用なら夜も使えるが、初期費用がさらに高い)
- 天候に左右されやすく、効果が安定しない
- メンテ費用が必要
という感じでしょうか。
でも、実際のところ、どうなんだろう?メリットはデメリットをカバーできるのかな?
実際に、のんビィ家の実例で確認してみよう。
太陽光パネル導入後の節電効果
電灯契約について
まず、わが家はヘーベルハウスで、オール電化住宅です。
屋根は陸屋根(フラット)になっています。
家は真南を向いていて、遮るものは何もないので、太陽光パネル設置には向いていると思います。
電気は中部電力管轄で、Eライフプラン(3時間帯別電灯)で契約しています。
契約容量は10kVAです。
Eライフプランというのは、時間帯によって電力量料金単価が異なるプランです。
電気代と投資対効果
で、結局節電効果はどうなった?
ズバリ、2017年(導入前)と2021年の、のんビィ家の電気代は・・・
2017年 | 2021年 | 効果額 | |
---|---|---|---|
支払い電気代 | 250,651 円 | 174,115 円 | 76,536 円 |
売電代 | ー | 106,444 円 | 106,444 円 |
効果額合計 | 182,980 円 |
ほぉ〜、やっぱり効果が出ているね。年間18万円かぁ。
だけどね、さっきも言ったけど投資対効果でいうと、そうでもないんだよ。
導入した太陽光パネルは、6.72 kWで、費用は工事費用込みで290万円くらいでしたので、
投資回収は、16年!
となります。
16年は長いな〜・・・
しかも今の売電単価は10年間は固定だけど、それ以降は低くなる見込みだよ。今の効果額は続かなさそう・・・
私は、太陽光パネルの導入を検討した理由として、「災害時の電気確保」を一番に考えていました。
実際に、導入してすぐ、台風が来て数日停電になったことがあります。
冷蔵庫を動かせただけでも、本当に助かりました。
いやいや、強がっているよね?
う・・まぁ、やっぱり事前によく検討すればよかったかな・・?
災害時のことを考えて、導入したいと思っていたのは本当ですが、節約金額については正直あまり深く考えていませんでした。
見積もり時のシミュレーションでは、
- 15年ローンで、毎月の返済額と節約金額がほぼ同じです。
- ローン返済後は、節約金額がそのままプラスになります。
と説明されて、「ふんふん、なるほど、それならまぁいっか」という感じで決めてしまったんですね。
後悔している訳ではないですけど、電気代のこととかちゃんと理解した上で検討しておけば、もしかしたら別の選択肢も見えてきたのかもしれません。
太陽光パネル導入時の注意点
というわけで、今更ですが、太陽光パネル導入時に注意しておけばよかったなと思った点について書いておきたいと思います。
- 自分の生活スタイルを理解しておく
- 電気代の仕組みを知っておく
- 太陽光パネルの出力保証を確認しておく
自分の生活スタイルを理解しておく
当然、検討する上ではシミュレーションは大事です。
しかしシミュレーションは、「平均的な」生活スタイルにおける試算です。
実際に、ワタシの実例では、シミュレーションと以下のような違いがありました。
効果額(対2017年) | シミュレーション | 2021年実績値 |
---|---|---|
効果額合計 | 217,036 円 | 182,980 円 |
(内訳1)節約電気代 | 123,306 円 | 76,536 円 |
(内訳2)売電金額 | 93,730 円 | 106,444 円 |
売電金額は良いけど、節約電気代の差が大きすぎるね。
この要因の一つに「生活スタイル」があるんだよ。
当然ですが、太陽光パネルが働いてくれるのは、太陽が出ている時間帯だけです。
つまり、Eライフプランでいう「デイタイム」の時間帯がメインです。
なので、いくらデイタイムで発電頑張っても、ナイトタイムの比率が大きければ、太陽光発電の恩恵が薄まるのです。(蓄電池を活用すれば、話は違ってきます)
どうやら我が家の生活パターンは、平均よりナイトタイムに偏った生活パターンだったようです。
時間帯別に単価が違う電灯契約の方は、注意が必要です。
シミュレーションがどんな比率で設定されているか、見積もり時に確認しましょう。
毎月の検針票に、各時間帯の電気使用量、電力量料金が記載されていますのでチェックすると良いです。
電気代の仕組みを知っておく
電気代の仕組みについてご存知ですか?
基本料金+電気使用量じゃないかな?
そんなに単純じゃないよ。注意しておきたいのは「燃料費調整額」「再エネ賦課金」だね。
まずは、以下の図をご覧ください。
この図をよく見ると、「×ご使用量」という文字が3箇所ありますね。
電気使用量に応じて変動する要素が3つあるということです。
1つは「電力量料金単価×使用量」ですね。
私が契約しているEライフプランでは時間帯に応じて3つの単価がありました。
これはイメージしやすいと思います。
ただ、電気代の中身を理解する上で、見落としてはいけないのは、あとの2つについてです。
燃料費調整額
「燃料費調整額」は、電気を作るときに必要な燃料代は、その時々で変動するので、それに応じて電気料金に反映させますよ、というものです。
その時の燃料代に応じてプラスにもマイナスにもなります。
2017年、2021年ともにマイナス調整ではありましたが、太陽光の恩恵により電気使用量が減った分、2021年の方がマイナス量が少ないです。
2017年 | 2021年 | |
---|---|---|
燃料費調整額合計 | -51,592 円/年 | -41,559 円/年 |
また、仕方がないことではありますが、直近では単価が上昇傾向です。
2022年に入っても絶賛上昇中で、2022年4月の単価は「+1.17円/kWh」ということで、プラス調整に転じています。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は、「太陽光などで発電した電気を電力会社が買取するための費用」について、全ての電気利用者に負担してもらいましょう、というものです。
国が決めた制度なので、電気を電力会社から買う限り、全ての人が負担する必要があります。
これも年々上昇しています。。
太陽光で電気使用量を減らしても、再エネ賦課金はあまり減っていない、ということになるので、これも注意が必要です。
再エネ賦課金 | 2017年 | 2021年 |
---|---|---|
単価 | 2.64 円/kWh | 3.36 円/kWh |
我が家の合計 | 30,119 円 | 29,494 円 |
いずれにしても、太陽光パネルで使用量を削減しなければ、もっと請求されるという事なので、節約にはなっているのは確かです。
しかし、シミュレーションではこの辺りの計算は除外しているので、思ったほど電気代が減らない、ということがあり得ることを認識しておいた方が良いのです。
我が家では、「去年と比較して電気使用量は減ったのに、電気代は高い」みたいなことが起こっている状況です。
シミュレーションは「燃料費調整額」「再エネ賦課金」を含んでいないので、実際に支払う電気代は想定と異なる、ということを認識しておく必要があります。
太陽光パネルの出力保証を確認しておく
さて、モノは劣化するのが常です。
太陽光パネルって、一体何年もつのでしょうか?
現時点での明言は難しいですが、京セラが出している数値について触れておきます。
- 機器保証 15年
- 自然災害保証 15年
- 出力保証 30年
- 10年目まで:出力が81%以下に低下した場合
- 11年目〜30年目:出力が72%以下に低下した場合
我が家の場合、保証はヘーベルハウス専用保証ということで無償です。
出力保証は30年ということなので、徐々に出力は低下しますが、ローン返済後もなんとか働いてくれそうです。
ただ、効果はだんだん少なくなる、ということは頭に入れておいた方が良いですね。
出力保証を受けるためには、当初の出力を把握しておく必要もあります。
私の場合、すでに数年経っていますが、今回データを整理しておいてよかったです。
今後もウォッチしていきます!
まとめ
太陽光パネルによる節約効果について、我が家の実例を紹介しました。
- 投資回収は16年、結構長くなりそう
- シミュレーションを過信しない
- 生活スタイルは人それぞれ、自分のスタイルを把握しておこう
- 「燃料費調整額」「再エネ賦課金」の存在を知ろう
- 出力保証は30年(京セラの場合)だけど、72%までは低下の可能性あり
- 停電時には役に立つ
費用面ではマイナスとなってはいますが、私としては、いろいろ災害が多い昨今において、停電時の電力確保のためにも、太陽光パネルを導入しておいてよかったと思っています。
皆様のご検討の一助となれれば嬉しいです。
長々と書いてしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございます!